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低評価の口コミとクレーム対応
はじめてガイド マーケティング 基礎知識

低評価の口コミ:ショップで効果的なクレーム対応方法【事例付き】

投稿者: • この記事を読むのに必要な時間:7分

例えば読者の皆さんが筆者の私のようにネット通販で長持ちする高品質なブラウンレザーのサッチェルバッグを探していたとしましょう。このようなシーンではある程度の金額を支払う必要がある為、一定期間貯めたお金をその価格に見合った品質の商品に費やしたいと思うのはごく一般的な思考ですよね?仮にネット通販のサイトで自分の好みにぴったり合うレザーのサッチェルバッグを見つけたとして、購入ボタンをクリックする前に「この商品の品質は?」、「ストラップの耐久性は大丈夫?」、「この商品本当に本革?それとも合皮?」のような様々な心配が頭をよぎるはずです。

筆者の私もネット通販でこのような「このショップから購入して大丈夫かな?」という不安にかられる瞬間を何度も経験しています。では一体どのようにして商品の品質や、ショップの評判を消費者が見極めるのかといえば、口コミ・レビューの確認です。商品ページの実際の購入者からの口コミを確認し、支払った金額に見合う商品であるかを見極めるのが最も一般的な手法といえます。実際に昨今の海外の調査では、ネット通販での購入者のうち91%が、商品の購入前に口コミを確認しているとの結果も発表されています。

口コミ・レビューが重要な理由

Eコマースの世界では顧客からの口コミ・レビューが重要である理由は3つ存在します。1つ目の理由としてショップの潜在顧客に対して信頼の置けるサービスであり、高品質な商品を提供しているという証明として役立つという点です。実店舗では実際に商品を手に取って品質を確認出来るという大きなメリットが存在しますが、ネット通販ではこのような仕組みは物理的に不可能です。生地の質感であったり、靴のフィット感などを実際に試せない為、こういった他の購入者からの口コミ・レビューからの評判の確認は、買い物客が商品の品質を確認する上で欠かせない存在です。

次に口コミは社会的信用(ソーシャル・プルーフ)として活躍をします。実際に顧客が商品を利用しており、満足をしているという証明を掲載することにより、ショップの新規来店客が商品に興味を持つ可能性が格段に向上します。こういった口コミマーケティングはネット販売でも効果的。今回実例としてご紹介しているサッチェルバッグの場合であれば、実際に購入したバッグを利用している他の購入者の写真などが掲載されていれば、購入しても大丈夫という背中を押してくれる要素となります。

最後に顧客からの口コミはショップの検索順位を上げてくれるツールとしての利用が可能です。例えばGoogle検索の場合、顧客からの口コミは新鮮で、頻繁に情報が更新されているサイトとして評価される基準として活用がされます。また顧客からの高評価の口コミが多いほど、検索結果で上位に表示される可能性が高まります。

低評価の口コミ・レビューの大切な役割

「低評価の口コミが重要」とはにわかに信じがたいかもしれませんが、実際にこのような口コミを削除せずにショップに掲載すべき理由がいくつか存在します。ここからは低評価の口コミを掲載すべき理由をいくつかご紹介しましょう。

低評価の口コミは顧客からの信用獲得に効果的

Eコマースの世界では、「出来すぎた話」は現実味のない売り文句です。買い物客は「完璧」な商品は存在しないということを理解しているケースがほとんど。このような背景から、商品を購入する際にはデメリットとなる情報を探しています。こちらの海外の調査では、買い物客の82%が低評価の口コミをあえて探しているという結果が。こういった低評価の口コミの存在は掲載している情報への信憑性を高める上で欠かせない存在となります。

ショップの運営者側のこういった低評価の口コミへの対応としてはこのような最悪の事態が起きた際への有益な情報を提供し、どのように問題対処を行うかを来店者に向け明確に提案を行いましょう。

Amazonの低評価口コミ
口コミの内容「この商品のリピートはしないと思います。いつもAmazonブランド商品には満足していますが、この商品は気に入りませんでした。香りがなく、髪がパサつきます。ポジティブな意見としては配送は予定通りに行われ、価格がお求めやすい点です。」出典:Amazon

この口コミは商品に関する率直な感想を述べており、購入時に考えられる商品のデメリットを端的に提供しています。実際に14人のユーザーがこの口コミが「役に立った」と評価をしています。

低評価の口コミはショップの改善点の効果的

ショップで低評価の口コミが投稿された際、無視をするのが一番簡単な対処法と思われるかもしれませんが、こういった口コミには大変有益な情報が含まれていることをお忘れなく。低評価の口コミは顧客のニーズの指標として活躍をします。例えば、商品に対して何かしらの改善点が存在するのであれば、ショップの顧客はその改善点を羅列してくれる最も重要な存在です。こういった理由から低評価の口コミを逆手に取り、改善のステップとして有効活用をしましょう。

低評価の口コミはブランドのスタンスを明確にするチャンス

低評価の口コミはショップの評判を下げるようなインパクトとなりますが、適切な対応を行えば、最終的にブランドイメージの向上に役立ちます。つまりこういったシーンで適切なクレームへの対応を行えばショップの評判を向上させることに繋がります。このようなシーンでは売り文句に特化したような内容の対応は避けることが無難です。

例えば、ショップの運営者が、口コミ欄で顧客と言い争いをしているような場合、ショップの潜在顧客の購入意欲を大きく削ぐ結果となってしまいます。仮に顧客のクレーム内容が理不尽な場合でも、落ち着いたプロフェッショナルな対応を心がけましょう。口コミへの返信内容は多くのショップ来店者の目に触れるコンテンツとなりますので投稿ボタンをクリックする前に投稿内容を今一度確認することをおすすめします。

TripAdvisorの低評価口コミ・クレーム
ホテル滞在での不満を書き綴った内容の口コミに関して、運営者側が「正直言って一体何を求めているんだ。ケチった結果がこの対価でしょう。私たちは格安ホテル。現実を見な。」という火に油を注ぐようなコメントの返信。出典:TripAdvisor

注意点として、低評価の口コミはショップの改善に重要ですが、高評価の口コミを生み出すことを基本の目標としましょう。専門家のコメントによれば、一件の低評価の口コミを相殺するにはおよそ40件の4つ星、または5つ星の口コミが必要になると言われています。

低評価の口コミ・クレームへの対応方法

ここまでで低評価の口コミがショップの成長に役立つことはお分かりいただけたはずです。ここからはこういった低評価の口コミへの対応方法をご紹介します。クレーム・不満への対応は簡単ではありませんが、こう言った困難な舵取りを手助けする為のいくつかのポイントをこちらでご紹介します。

早急な返答

まず一番最初にご紹介するポイントが、返信は可能な限り早急に行うという点です。このような不満を持った顧客への返信が遅れると、結果的にライバル企業、ショップへの顧客の流出を招きます。消費者は通常、運営者側からの1週間以内に返信を望んでいると言われており、この期待に応える事は重要です。

顧客が不満な理由を見出す

「謝罪ではない謝罪」を経験した事はありませんか?例えば「ご迷惑をおかけしたのであればお詫び申し上げます。」のような文言は厳密には謝罪とは言えません。このような表現は責任逃れを試みているように感じられ、顧客へ悪印象を与えてしまいます。

低評価の口コミやクレームへの対応でも同様です。テンプレートのような「大変申し訳ございません。」のみで済ませるのではなく、実際にどのような問題が発生したのかの理由を見出しましょう。「ショップ側のミスで今後改善が可能であるか?」、それとも「対応可能範囲外の不運な出来事か?」こう言った内容の検証を行いましょう。

この理由を見出す際には問題の1から10までを全て聞き出す必要はありませんが、心の底からの謝罪を行うにあたり「なぜこのような問題が発生し、どのように問題の対処を行うか」という説明が顧客を納得させる上で必要となります。

Googleレビューの低評価口コミ・クレーム
「問い合わせた時の従業員の態度に問題があり更に返信が一切なかった」という顧客対応への不満に対し、「ご希望に添えなかったのであれば謝罪致します。」というテンプレートのような感情のない返信を行っているケース。出典:Googleレビュー

上記の画像は低評価口コミの間違った対応方法の典型的な一例です。返信内容には運営側からの問題の詳細に関する説明や謝罪が存在していません。「ご迷惑をおかけしたのであれば謝罪します。」の典型的なケースと言えるでしょう。

共感と思いやりを示す

このポイントはクレーム対応の鉄板ですが、仮に顧客のクレームが理不尽なものであったとしても、不満への理解と共感を必ず示すように心がけましょう。仮に自分がネット通販で商品を購入した立場で、ようやく届いた商品が期待したような商品ではなかった場合、がっかりしますよね?このような感情を購入者が抱いているということを理解しておきましょう。

このようなシーンでは、購入者の苛立ちを理解した上で、問題解決に向けた提案を行うことを心がけましょう。正しい一例としてこちらのコスメ製造業者である「Ulta Beauty」(ウルトラビューティー)のTwitterの投稿をご紹介します。

Ulta Beautyの低評価口コミ・クレーム
届いた商品の液体が溢れてしまっているというクレーム対し、「これはひどいですね。ダイレクトメッセージで注文番号を送っていただければ、問題に対応します!」という共感と問題解決への提案を行なっている。出典:Ulta Beauty

時間を効率的に利用する

実は全ての低評価の口コミに対応する必要はありません。昨今の調査では、ネット上の口コミの10〜15%は偽物、または課金をして得たものであるとの結果が出ています。こう言った「偽物」の口コミを見極める際のポイントが以下の通りです。

  • 投稿の内容と論調:投稿内容にどのような理由で商品に対して不満があるかの記述は存在していますか?「本物」の口コミには通常どのような部分に対して不満があるかの記載が存在し、(建設的な)顧客目線での意見に重きを置いています。内容のない誹謗中傷や暴言等を含むような口コミは基本的に「偽物」である可能性が高くなります。
  • 顧客の購入履歴:ショップの購入履歴を確認し、投稿をしたユーザーが何も商品を購入していない場合、その口コミが「偽物」である事は明らかです。
  • 顧客のプロフィール:ご利用のECサイトでこのような機能が存在する場合に限定されますが、当該のユーザーが投稿した他の口コミを確認することもおすすめです。仮にその特定のユーザーが低評価の投稿ばかりを繰り返している場合、その口コミに関する信憑性を疑うべきでしょう。

サイトで上記のポイントのうち一つでも当てはまる項目があれば、確実に返信を行うことは重要ですが、返信の内容に多大な時間を費やす必要はありません。シンプルな謝罪の文面と、問題を解決する為の問い合わせ先の掲載をすれば十分です。下記の一例ではレストランのオーナーが低評価の口コミに対する対応をご紹介します。

Googleレビューの低評価口コミ・クレーム
「ぼったくりでまずい、対応が悪く、遅い。今まで来店した中で最悪なレストランの一つ」という詳細がないクレームに対し、「お忙しい中ご意見のご投稿ありがとうございます。今度の顧客体験の改善のためこちらのお問い合わせ先までお客様がご経験した問題の内容をご連絡ください。」という内容の文面を投稿。出典:Googleレビュー

実体験のクレームから学ぼう

ここまでにご紹介した「早急な返信」、「謝罪」、「状況の説明」の全てを行ったらその後はどうすれば良いのでしょうか?

顧客からのクレームは不運な出来事としてやり過ごしてしまいたくなるところですが、こういった低評価の口コミやクレームをショップの改善への好機として活用することが大変重要です。

例えば、低評価の口コミを書類形式でまとめて、繰り返し顧客が不満を抱いている項目がないかを確認してみましょう。例えば、ショップの顧客の一人のみが「価格が高い」というをクレームを投稿している場合であれば、特定の顧客の予算の問題として捉えることが可能ですが、例えば、複数の購入者から「価格と品質が見合っていない」のようなコメントを受け取っている場合であれば、ショップの販売価格の見直し等を行うべきと考えましょう。

筆者が所属している企業、Printfulでも同様の対応を行っています。低評価の口コミの情報をまとめ、問題の根源となっている各部門へ個別に状況報告と状況の改善を求めています。このようにお客様からのご意見を商品・サービスの品質改善の原動力として活用をしています。

一例として、以前ご利用者様より、「全面プリント バックパック」の外側ポケットとその他の部分のデザインの配置調整が難しいというご意見をいただいた際、頂いたご意見を参考に外側ポケットをなくしたシンプル版のバックパックを商品ラインナップに追加しました。また、バックパックのサイズ、ストラップの耐久性に関するご意見も頂いていた為、これらのご意見を反映し、更に容量が大きく、ストラップが頑丈な新たな商品の展開を開始しました。

ショップでクレームを受けた際は、「この問題が再度起こらない為にどのように対処をすればいいか?」がとても重要となります。ご利用のプリントデザインにあった同カテゴリーの別商品の選択や、一部の商品を在庫として保管しておき在庫切れを防ぐなど様々な方法が考えられます。クレームを受けたからと気落ちせずに、そこからどのように改善をし顧客の期待に応えていくかというポジティブな思考がショップ運営では大変重要となることをぜひ押さえておきましょう。

最後に、冒頭でご紹介したサッチェルバッグのお話を覚えていらっしゃいますか?結果として筆者の私は最終的にバッグを購入しましたが、1ヶ月後にストラップが外れてしまいました。口コミを投稿したものの、ショップのオーナーさんから返信をもらうことはありませんでした。低評価の口コミやクレームで嬉しい気持ちになる人はいないという販売者側の立場ももちろん理解できますが、こういった顧客からの素直な意見は、まるで子どもに野菜を食べさせるのと同じように、その時に楽しめないものであっても長期的に利益となるものとして大切であることをぜひ押さえておきましょう。

A content marketing specialist and social anthropologist all in one, Marta has a never-ending curiosity in people and all their little quirks.

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