
中小企業向けのYouTube動画マーケティング【10ステップガイド】
動画マーケティングを始めたいなら、YouTubeより最適なプラットフォームは存在しないでしょう。世界の動画共有サービスの中で王様のような存在であるYouTube(ユーチューブ)は、2019年の調査のデータでは、国内でも7割強の人が利用中です。
別の海外の調査によると、対象者の84%はブランドの紹介動画で見てからその商品やサービスを購入したと回答。このデータをみて、動画コンテンツの作成と共有をマーケティング戦略に入れる必要がある事が明らかです。
ただ、何かを始める前には、まずは計画を立てる必要があります。ターゲット層を見極め、その視聴者を関与させる手順を実行する事が大事です。
ありがたい事に、YouTubeのコンテンツの作成やアップロードおよび共有等の全ての作業はそれなりに簡単にできる事なので、動画マーケティングの戦略を素早く策定できるはずです。
あなたの視聴者からクリエイターへの変身をサポートするため、YouTubeを中心に動画マーケティングをビジネス計画に上手く組み込む方法を分かりやすく解説します。
動画マーケティングの概念と活用方法
「動画」というものは、顧客とのコミュニケーションに加え、ブランドの概要や歴史、または使命や存在意義を伝える事ができる媒体です。この情報をターゲット層と共有すれば、顧客のブランドへの関心と信頼が高まり、関与しやすくなります。
動画マーケティングを上手く活用すれば、ターゲット層と関係づけるだけでなく、新しい顧客の獲得やブランドに対する評判の向上に繋がる効果もあります。更に、クオリティーの高い動画コンテンツを公開する事で、ブランドをニッチな層で著名な権威ある存在として確立し、知名度の向上と、最終的な顧客の信用を築き上げることができます。
それでは、一体「何をすれば」YouTubeをビジネス宣伝の目的で利用する事ができるかをご紹介します。
ステップ1: YouTubeのマーケティング戦略の目的を設定
YouTubeのマーケティング戦略を策定する際、始めにすべきことは目的と目標を設定する事でしょう。顧客の関与を深めたい?ウェブサイトのトラフィックを上げたい?ビジネスを著名な権威のある存在として確立させたい?それともこれらの目的を全て達成したいですか?
目的や目標を設定すれば、ビデオマーケティング戦略に一貫性を与え、製作するビデオキャンペーンが最終目標に一致しなくなる事を予防できます。
創造プロセスの策定の手助けとなるアイデアをいくつかご紹介します:
- 舞台裏コンテンツや動画ブログ(ブイログ): 製造過程の映像、ロゴ作成のお話、またはご自身や会社での日常の生活。
- 動画ガイド: 視聴者に何か新しい事を教えたり、サービスの仕組みや使い方を説明したりできます。
- まとめコンテンツ:既存のコンテンツを動画に再利用。例えば、「オンデマンド印刷の商品アイデア75選」のようなブログ記事をリスト式動画に変更。
- インタビュー:ニッチの権威者をインタビューし彼らの意見を紹介。
- 商品の紹介:商品やサービスが実際に利用される映像で視聴者に利用方法を教え、商品の魅力をアピール。
- サクセスストーリー:顧客をインタビューし、商品やサービスを購入して良かった点を語ってもらいましょう。顧客の口コミは最も効果的な宣伝方法です。

ステップ2: YouTubeチャンネルの準備・設定
YouTubeでブランドを宣伝したいなら、コンテンツをアップロードするのは当然ながらYouTubeのブランドアカウントを開設する必要があります。
まずは、既にお持ちでなければGmailのアカウントを作成しましょう。
次に:
- GmailのメールとパスワードでYouTubeにサインイン
- 右上のアイコンをクリック
- ネジマークの「設定」をクリックしアカウント設定へ移動
- 「新しいチャンネルを作成する」をクリックし、ブランドアカウントを選択
- ブランド名を入力し、「作成」をクリック
ここまで進めたら、プロフィール情報とチャンネル説明を記入するのが次のステップです。ここはブランドの概要を書き表し、YouTubeチャンネルでどのようなコンテンツを投稿するつもりか等について説明できます。しかも、ここではSEO(検索エンジン最適化)のキーワードを加えても良いので検索に適した文章を制作する事に加え、ウェブサイトやSNSへのリンクを貼る事もできます。
もちろん、真面目で信用できるブランドとして定着する為に、プロフィール写真とカバー写真を入稿する事が必須です。
ステップ3: 初のYouTube動画の作成、編集、アップロード
映像と音響機器は別の特集記事に値するほど重要ですが、初の動画を作成する準備をしているなら、トップクラスの機器がなくても大丈夫です。スマートフォンやデジタル一眼カメラを使用して十分に良好な映像を撮る事が可能です。今後より機能が充実した機器に投資する必要を感じるかもしれませんが、今はとにかく始める事が最も重要なので、手元にある物を使用しましょう。
動画のテーマを決めたら、余計に迷わないようにやることリストを作りましょう。台本の制作から動画に使用する小道具まで、準備する物が多くなればなるほど何かが失念されてしまう可能性が高まります。
動画のスタイルと内容によって編集が必要とされる場合、Adobeのフリートライアルを利用してPremiere、AuditionおよびAfter Effectsといったソフトで編集を行えます。別の選択肢としてDavinci Resolveがおすすめです。無料バージョンではビデオやサウンドを編集したり、映像にエフェクトを加えたりする事ができます。
満足できる動画が出来上がったら、YouTubeへ移動し、「作成」カメラアイコンをクリックし、「動画をアップロード」を選択しましょう。ファイルを選択し、公開する時間を指定できます。アップロードを開始すると完了まで数分がかかる場合があります。
ステップ4: YouTubeチャンネルの最適化と管理
YouTubeのブランドチャンネルが設定され、初の動画がアップロードされたら、その動画が実際に視聴者に見つけてもらえるような工夫をしなければいけません。
YouTubeチャンネルの最適化のコツ
- キーワードを使用:キーワードは視聴者を招くマーケティングの最も重要なツールです。動画のタイトルや説明文にキーワードを入れるのはもちろん必須で、そのほかにもタグやチャンネル説明を活用しましょう。しかし、無理やり同じキーワードを何度も繰り返して書き込むのもNGです。YouTubeはこのような行動を迷惑行動やスパムとして判断し、動画を非表示にしてしまう可能性があるので要注意。自然な文章作りを守ればキーワードの使用も自然になります。
- チャンネルの概要ページを最適化:概要の最初の68文字(アルファベットを使用の場合異なる)は検索結果で表示されるため、視聴者の興味が湧いてくるようなブランドの説明を伝える事を可能にするツールです。
- チャンネルのキーワードタグを大活用:右上の「アカウント」からYoutube Studioへ移動し、左下の「設定」をクリック。開いたポップアップで「チャンネル」をクリックすると名前の下にキーワードを入力できる欄があります。ここも迷惑行為の判断されるのを避ける対策として、約5~7のキーワードの使用が一番効果的と言われています。
- コメントに返信する:動画のアップロードが完了したら、毎日のようにチャンネルをモニターしながらコメントへの返信を忘れずに。自然に賑やかだと判断されるチャンネルがYouTubeのアルゴリズムによって良好なチャンネルという評価をされます。
- チャンネルの紹介動画:映画のトレーラー(予告編)と同様に、チャンネルのトレーラーは短い紹介動画です。トレーラー作成の際、この動画は実は未登録者のみに表示される事を覚えておきましょう。効果的なチャンネルの紹介動画を作成するにはやるべきことは以下の通りです:
- 視聴者が一番重要な情報を取得できる、短い動画にすること
- 自己紹介をすること
- チャンネルの価値をアピールすること
- チャンネル登録への行動喚起を必ずいれること
- 通知ベルもクリックするようにお願いすること
これらの最適化はチャンネルそのものに限らず、各動画にも適用するようにしましょう。
YouTube動画の最適化のコツ
- 動画のタイトルには必ず適切なキーワードを入れましょう。
- タイトルは的確で簡潔なものが望ましい。
- 特定のキーワードは、タイトルや説明にのみならず、実際に動画の台本にも入れましょう。動画のタイトルとコンテンツに不一致があると、視聴者が騙されたと感じてしまう事があります。
- 視聴者にチャンネル登録をするように促しましょう。
- 効果的なサムネイルを作成しましょう。YouTubeは三分割法の使用をおすすめする上、画像を面白くてダイナミックなものにすることや、コンテンツを説明するテキストを追加する事をおすすめします。
- 動画の説明を情報がたっぷりのキーワードの最適化が適用された、広告されても問題が発生しないものにしましょう。YouTubeの「スマートな説明を書く」ガイドを合わせてご確認ください。
- 字幕とクローズドキャプションを追加しましょう。これらを解析する事でYouTubeのアルゴリズムが動画の内容を理解し、多くの視聴者におすすめされる可能性が高まります。
- ハッシュタグを使用しましょう。
- 位置情報も入力しておきましょう。

ステップ5: 動画を事前作成し、アップロード予定表を用意
視聴者の信用と興味を持ち続けるために、スケジュールを作り、いつでもアップロードできる動画を事前に用意しておかなければなりません。
全ての情報の入力と動画の公開準備ができたら、その動画が特定の時間に公開されるようにスケジュールすることができます。ターゲット層がオンライン状態の時間帯を調べてから動画を公開する時間を決めましょう。そうすれば、視聴者が実際にオンラインの時に動画が新着通知されることになります。
Youtube Studioでのアナリティクスでは、視聴回数の他に、視聴者がYouTubeにアクセスしている時間帯のレポートも確認できます。ただし、この機能は視聴者が集まってから利用可能になります。
また、チャンネルを解析し最適な時間帯を提案する無料プランもあるVidIQというChromeのプラグインもご利用いただけます。
さらに、ライバルや同じターゲット層の他のクリエイターのアップロード時間帯を確認し、投稿時間が被らないようにスケジュールを立てましょう。
コンテンツがいつでも投稿できるように準備をしておけば、投稿時間が一貫し、チャンネル名が視聴者に親しみやすくなり、エンゲージメントを上げることに繋がります。
投稿時間がなかなか決定できなくても、動画を「非公開」状態に設定し後から公開する方法もあります。
ステップ6: データと研究を基にコンテンツを制作
動画マーケティングで成功するにはターゲット層を隅々まで熟知する必要があります。そのため、データは不可欠な存在です。
YouTubeのブランドチャンネルでは次のようなデータが表示されます:
- 視聴者の年齢と性別
- 視聴者の所在地
- 動画が視聴される時間帯
他にもリーチ、エンゲージメント(関与)、視聴者および収益に関する統計を確認できます。このデータを分析・活用して動画マーケティング戦略を磨きましょう。
ライバルのチャンネルを確認すればそこから学べる事も沢山あるはずです。動画のトピック、視聴回数、コメントの内容を調べ、長所と短所を理解しようとする事も参考になります。
ステップ7: 再生リストを作成
再生リストはチャンネルの整理と、検索エンジン最適化とユーザー体験を改善する為になくてはならない存在です。
既存の動画を新しい再生リストに追加するか、新しい動画を作成する際に再生リストに追加する選択肢があります。再生リストの作成は、視聴者に動画を見つけやすくするため類似のの動画をグループ化させる事を可能にします。再生リストでは動画を連続で自動再生できるメリットもあります。動画シリーズや似たようにトピックを紹介する動画がたくさん投稿されている場合、これは理想なまとめ方です。
さらに、再生リストの隠れた効果として、SEOへのポジティブな影響が挙げられます。動画が視聴されればされるほど、視聴者がチャンネルに滞留する時間が延びます。このデータを元に、YouTubeが動画を他の視聴者におすすめするので、チャンネルの成長、また視聴者の増加にも繋がります。

ステップ8: 終了画面と動画カードを追加
再生時に表示される動画カードと再生後に表示される終了画面を利用することで視聴者へエンゲージメントを直に求める事ができます。ネットショップやSNSのアカウント、加えて別の動画コンテンツへのリンクを貼りましょう。
動画カードの例:

終了画面の例:

終了画面の使用は動画を良いイメージで終わらせる方法であり、視聴者に他の動画、例えば最近投稿した動画やYouTubeが勧める動画を紹介するチャンスです。チャンネル登録のボタンももちろん必須です!既に使用していない場合は終了画面の使用を強くおすすめします。
ステップ9: YouTube広告
マーケティング予算に広告経費が含まれている場合、YouTube広告キャンペーンを検討してみる事がおすすめ。Google広告を利用してチャンネルの成長を加速させるーつの拡大戦略です。
大変有効な方法であるとはいえ、闇雲に広告を出稿すればいいというわけではなく、広告を使用する目的とターゲット層の性質を慎重に検討しましょう。以下のポイントについて考えるのが重要です:
- 広告のターゲットは誰か:ターゲット層の特徴と興味は何か?
- 広告する目的は何か:ブランドの知名度を上げる為か?視聴者をウェブサイトへ誘導する為か?
- ターゲットする場所は何処か:国や更に詳しく都道府県まで、どこの視聴者をターゲットするか?
- ターゲットする時間はいつか:どの頻度でどの端末の機械に広告が表示されるか?
YouTubeには複数の広告方式があり、ターゲット層を参考にし、目的に合った広告方法を選択する事がおすすめです。
ステップ10: 監視と分析、再度の監視
YouTubeマーケティング戦略は、チャンネルが設定され動画がスムーズに投稿されているだけで終わる訳ではありません。常に視聴データの監視と分析をし、この戦略は想像通りの結果をもたらしているかをチェックしましょう。思っていた通りに成果がなければ、戦略を調整しマーケティング方法をそれに適応させましょう。
YouTubeのチャンネルアナリティクスでは以下の事に注目すべきです:
- 視聴者
- 視聴の時間帯
- 各動画の視聴時間
- 利用の機器(スマホ、テレビ、タブレットPC、パソコン)
- チャンネル登録数の増減
このデータのリサーチは一度きりだけで十分というわけではありません。動画マーケティングの戦略を磨き、視聴者のニーズに合わせるために常にデータを確認しましょう。

YouTubeマーケティングであなたのビジネスを成功させませんか?
商品とサービスの宣伝にまだ動画キャンペーンを使用していないなら、始めるタイミングは今です。YouTubeチャンネルの作成はとても簡単で、この記事で紹介したコツを上手く使用すれば、ターゲット層の視聴者にぴったりのマーケティング戦略を作成する事ができるはずです。
YouTubeマーケティングを通してビジネスを成長させる秘訣やYouTubeのサクセスストーリーがありましたら、是非コメント欄までご投稿ください!
Comments