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昨年クローゼットの整理を行うことを決めた筆者の私。普段たくさんの洋服を購入するわけではないので、お茶の子さいさいかと思いきや、普段着るアイテムをきちんと整理整頓された状態で収納するのに最終的に数日を要しましたが、最終的には有名な片付けコンサルタントの近藤麻理恵(こんまり)さんも「よくやったね」と褒めてくれるような収納を実現できました。
ただ、整理されたクローゼットの向かいには「ときめく」とは程遠い必要ない洋服が山のように散乱。まだ着れるアパレル商品を寄付し、その他をリサイクルに出しても、多くのアイテムは最終的にゴミ処理場に送られてしまいます。
筆者の私が捨てたゴミの山は、ファッション業界が生み出す廃棄物のほんの小さな氷山の一角と言えます。私たちが廃棄する衣類の量から、ファッション業界は環境汚染の主要要因の一つという思いがけない統計などから業界全体に根深い問題が存在しているのが現状です。
オンデマンド印刷・ドロップシッピング業者であるPrintful(プリントフル)もこの業界の一員として運営を行なっています。受注生産の製造方式である為、「サステナブル」(持続可能)という面ではファストファッションよりも既に時代を先取りをした運営戦略を取っていますが、更なる改善に向けたポイントも存在します。これらの理由から、Printfulの理念として「サステナブルファッション」という、より更にファッション業界を環境に配慮した運営と社会的公正に向け前進させる為の活動を行なっています。
ここからはサステナブルファッションがどのように業界を変革させるのか、なぜこのような改革が必要なのか、更にPrintfulがこの社会運動に向けどのような取り組みを行なっているのかをご紹介します。
サステナブルファッションは着用される衣服が可能な限り持続可能な方法で製造、販売、使用されることを目指す、科学的、及びデータ主導の運動です。使用する生地・素材の調達から製造、更にはアパレル商品の販売まで、業界全体のサプライチェーンの全てのポイントを変革することが運動の主要目的です。
加えて、サステナブルファッションは環境に優しい変化を推進するだけではなく、低賃金や劣悪な労働条件など、業界の労働者に関わる社会問題にも取り組むことも目的としています。
元々サステナブルファッションへ向けた取り組みは消費者主導で始まった運動であり、業界の問題を認識している消費者が、企業に対しこの社会運動の遵守と改善を望んでいる結果として流れが生まれています。
昨今小売業者の間では消費者が求める基準に遵守することが必要であるという認識が広がり始めていますが、環境に配慮をしている消費者を納得させるには、ただ単に宣伝文句を並べるだけでなく、企業として更なる取り組みが必要であることを理解することが必要です。
一例として、イギリスのファッション小売業者、Boohooでは更に環境に配慮した運営を行う為にウール素材の使用を取りやめるとの発表を一度行ないましたが、ウールはその他繊維と比較しても比較的「サステナブル」な繊維であることなどから、消費者より大きな批判を受けた為、数時間後に発表を取り消しする事態となりました。
こういった前途多難な船出となったBoohooも、この一件以降は実際に意味のある改善に注力をしています。昨年には初めてのリサイクルコレクションを発表、社会責任に関連した活動に対して以前よりも透明度の高い対応を行なっています。
「グリーン・ウォッシュ」とも呼ばれる、消費者への訴求効果を狙い、あたかも環境に配慮しているかのように見せかけることは通用しません。サステナブルを目指すという運動の根本の心理は実際に変革を起こすことであり、ただ単に、消費者間の流行に乗っかる(または乗っかっているように装う)のとは違ったアプローチが必要となります。
このサステナブルファッションに向け共に邁進していく事が重要である理由を理解する上で、ここからご紹介するファッションの世界に存在する問題を認知する事が重要となります。
ファッション業界の売上は2018年の4810億200万ドル(51兆4780億円)から、2022年には7120億9000万ドル(76兆2068円)まで成長すると予測されています。ショップの運営者にとっては嬉しいニュースですが、この数値は環境、さらには全ての人々に対しての不安材料となりえます。
幸運にもファッションの世界では更に「サステナブル」(持続可能)に、という流れにこれまでよりも熱心に取り組むようになりました。
取り組みが求められる主要問題としてあげられるのがアパレル商品の製造、販売において発生する環境汚染です。この問題の程度をご理解頂く為に商品のライフサイクルを分かりやすくご紹介するにあたり、ファッション業界の売れ筋商品、白のコットンTシャツをこちらで一例に取り上げます。
コットン・綿を使用したアパレル製品は快適で耐久性と通気性が高いのが特徴です。また、綿は栽培と収穫が比較的安価に行える為、世界で最も普及している非食用作物でもあります。
残念ながら、綿にはいくつかのデメリットも存在します。綿栽培農家は農薬、殺虫剤、肥料を使用しており、これらの化学物質が水に混じり土壌に吸収されることにより土地の生物多様性と清潔な飲料水の確保に影響を及ぼしています。
1枚のTシャツを作り上げるのに必要な綿を栽培するには、最大約2767リットルの水(人間一人分が飲用する量に換算すると3年半分)となります。比較として、Tシャツ1枚分のポリエステルの製造には約15リットルの水が消費されます。
綿は収穫後に織物工場へ送られ、そこでまず荒い灰色の布地が製造されます。その布地に漂白、染色、化学薬品で処理を行い、柔らかく、白い布地という理想的な外観に加工されてからTシャツを製作するための縫製工場に送られます。これらの製造過程に必要とされる化学薬品と水により環境への影響を与える可能性が存在します。
これらの過程を経て最後に、製造されたTシャツは皆さんのお気に入りの洋服屋さんの店頭に並びます。お店で購入された商品はもちろん購入者によって着用されるという役割を果たしますが、お店の棚にハンガーに掛かっている残りのTシャツの行き先が気になりますよね?こういった売れ残った在庫は最終的にゴミ廃棄場に埋め立てられるか、焼却処分されてしまうケースが多数で、これらの処理に際して二酸化炭素排出と環境汚染が発生します。
ただ、昨今ファッション業界と消費者の間ではこのような問題に対する認知度が大幅に向上しており、これまでにない程にこういった問題を改善する熱意が高まっています。全ての人々が業界の仕組みに変化を与え、更に「サステナブル」な方法でコットンTシャツを製造する為の解決策を模索していると言えます。
オンデマンド印刷(POD印刷)のサービスは環境に優しいファッション業界を目指す上で鍵と成り得る存在の一つです。ここからは、Printfulの商品ラインナップ、在庫・商品調達、プリント技術、設備、製造拠点、更には利用者の皆さんがサステナブルファッションを取り入れたブランド・ショップ運営を行う為に活用されている弊社の施設運営方法をご紹介します。
大手のファッション小売業者と比較し、オンデマンド印刷業者が優れている最も大きなメリットは受注生産の為、廃棄物の量が少ないという点です。
従来の小売チェーンでは自社で販売をする商品を調達する方式を採用しており、価格を抑える為に大ロット注文を行う場合がほとんどです。一方、Printfulでは購入者が実際に注文をした商品のみにプリントが施され、実際に購入を希望する人が存在する場合にのみ商品が製作されます。
この方式を活用すると、過剰生産を避けることが出来、いくつかの大手小売業者が行なっているような売れ残った商品を廃棄したり、焼却処分することが無くなります。毎年9200万トンの生地が廃棄処分されているファッション業界では、このビジネスモデルは正に革命のような存在です。
オンデマンド印刷の方式で廃棄処分となる品目としてプリントの際に損傷が発生がされた商品が当たり、この損傷商品のPrintfulでの発生比率は業界が奨励する基準内に収まっています。
Printfulでは返品された商品の慈善団体への寄付、並びに損傷したアパレル商品の動物保護施設への寄付を行なっており、必要とされる場所へ再利用を促す取り組みを行なっています。
プリントを施す商品、並びに調達元に関しても細心の注意を払っています。Printfulのマーチャンダイザー(MD)は常に商品ライナップへの新商品の追加に対する施策を行なっており、2020年の最も大きな目標の一つが、オーガニック・エコ商品のラインナップ拡充となっています。
高品質な印刷の仕上がりが得られるプレミアム製品の調達、追加には時間を要します。各商品で複数のサプライヤーからサンプル商品を調達し、最善の仕上がり結果が得られた業者を選択しています。弊社従業員が仕上がりに満足出来る商品と確証が得られた場合にようやく商品ラインナップに追加がされます。この工程には商品写真の撮影、商品ページの設置、追加の商品チェックなども含まれています。
サステナブルな商品を追加にはまずサステナブルなサプライヤーの選定が必要です。長期で取引を行なっている提携企業のBella + Canvas(ベラ・キャンバス)は企業理念に環境への配慮が組み込まれている衣料品メーカーです。Bella + Canvasでは太陽光エネルギーの使用、水の使用量の制限、廃棄副産物のリサイクル等、「エコ」商品の基準を満たす取り組みを推進しています。
更に、Printfulでは購入者の注文を処理するのに必要な分のみの商品を購入しています。必要な際のみに在庫を注文するという方式は購入者が実際に購入をした際のみに商品にプリントが施されるという方式と密接に関連しています。
Printfulでは売れ筋商品の在庫のみを保管し、その他の商品はその商品の注文が購入者から一定数入った際に行われます。
また、弊社では集積した数値を常に活用し、売れ行きの悪い商品、またプリント時の損傷発生率の高い商品の削除を行なっています。この取り組みにより、使用されずに眠ったままであったり、廃棄処理が必要となる商品の在庫保管を避け、生地の廃棄を避けることが可能となります。
Printfulでは「プリント」という工程自体にも「エコ」を最大限に取り入れることを目標としています。これまでに27億ドルを業界最先端のプリント設備に投資し、今後も更にサステナブルファッションへの取り組みに熱心な企業が提供する最新の技術への投資を行います。
提携先としてインクジェットプリント(DTG)の専門家であるKornit(コーニット)をご紹介します。Kornitではサステナブルへの取り組みを推進しており、ほとんど廃棄用水を発生せず、省エネルギー、また二酸化炭素排出量を抑えたプリンターを展開しています。
ダイレクト印刷方式(DTG)とも呼ばれるインクジェットプリントは従来のアパレル商品のプリントに使用されているシルクスクリーン印刷のような印刷方式よりも「サステナブル」という面で優れています。シルクスクリーン印刷では大量の水と、生分解しないプラスチゾルインクを使用しているだけでなく、大ロット注文を基本とした方式の為、過剰生産を引き起こす可能性も存在します。比較としてインクジェットプリント(DTG)は実際に購入者が既に存在している商品を1枚からプリントする為、更に環境に優しい選択肢と言えます。
プリントに使用しているインクは水性インクで、有害な化学物質は使用されていません。残ったインクの廃棄の際には、サプライヤーの基準に遵守した方法を取っており、環境破壊をしない為の配慮を行なっています。
北米と、ヨーロッパの製造拠点は主要顧客層の需要に合致した拠点の展開となっています。これにより配送納期はもちろん、配送の為の距離を短縮し、空気、水の汚染を減らす効果を発揮します。
また施設内ではリサイクル(紙、段ボール、プラスチック、電池)の推進、オフィスと製造拠点での省エネルギーなLED電球の使用を始め、更には新たな省エネに向けた施策も模索しています。一例として、昨年ヨーロッパの製造拠点の最新技術を使用し、エネルギー浪費を抑えた環境基準を示す数値のA基準を満たす施設への移転を行いました。
また全ての製造拠点での社内業務プロセスの効率化にも取り組んでいます。1点のみ注文のプリント製品に対しプラスチックの使用を制限したことにより、既に約1400kgのプラスチック使用の削減に貢献しており、今年の新たな削減目標に向け邁進しています。その他の目標施策としてカットソー生地商品の製造で発生する生地の切れ屑の総量削減にも取り組んでいます。
その他にも取り組みが必要な問題は存在するものの、オンデマンド印刷というコンセプトは従来の大ロットの製造・販売方式に対し、廃棄物の少ない、更に「サステナブル」な代替手段として徐々に浸透しています。この流れは企業、消費者どちらに取っても喜ばしいニュースです。
もしも読者の皆さんの中で、オンデマンド印刷業者を利用した注文処理を行なっている小規模ビジネスの運営者の方がいらっしゃるなら、こういったショップの購入者に向けてこれまでにご紹介したオンデマンド印刷のメリットの強調をすることをお勧めします。こういったサステナブルファッションに取り組んでいるビジネスモデルに対して、消費者が好印象を抱くこと間違いなしです。
洋服は日用必需品。環境や社会に対する問題点はあるものの、アイデンティティと経済成長の一部としてファッションは多くの人から愛されている産業です。ただし環境とこの地球に暮らす人々の健やかな生活に配慮する為に業界全体で新たな取り組みを行う必要があります。
アパレルショップの運営を手助けする企業として、世界に与える影響における責任を担い、販売を行なっているブランドをより「サステナブル」(持続可能なもの)にする為に取り組んでいます。従業員一同、この取り組みの過程をご紹介出来嬉しく思います。
次なるステップへの原動力として、その他のアパレル企業におけるサステナブルファッションに向けた取り組み等、シェアをしたい情報がございましたら、お気軽にコメント欄までご投稿ください。
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Ilze Folkmaneさんが2020年4月16日に投稿
Ilze Folkmane
Ilze is the Communications Manager at Printful. Together with her team, she’s dedicated to creating great content, be it a blog, social media post, or video, that allows customers to bring their stores to the next level.
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読了時間:9分 2020年4月16日
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